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『ほんやく修行』中国語
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『如夢令』LINEマンガ 配信期間
アプリから見ると、配信期間が表示されるようになってしまった。ついに……。(打ち切りです)

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配信期間:2019/09/03〜2020/02/03

第4話以降はアプリから1日1話ずつ読むことができます。無料

『如夢令-偽りの花嫁-』
(翻訳協力。LINEマンガにて)

中国語版:《如梦令》 腾讯动漫


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ISSスクールブログでの連載記事。第3回(最終回)

『如夢令』の連載開始直後にまとめて書いたものですが、まさかほぼ同じタイミングで打ち切りになるとは思っていませんでした……。

編集部の方によると、配信サイトでの人気が上がらず、コッミクスの売れ行きも悪いとのことです。「ジーンLINEの先行するいくつかの中国作品は、どの程度人気があったのか不明ですが、50話くらいは続いていたようなので、正直、意外でした。油断があったのかもしれません。厳しい世界ですね。

コミックス1巻、試し読み(↓)



# by d_kushi | 2020-01-12 18:09 | その他/過去記事
ある倒産した翻訳会社に関連して……
翻訳者というものが、自分の訳文が最高だと思い込んでいるタイプと、自分の訳文を客観視できる冷静なタイプに分けられるとすると、残念ながら、私は前者の思い込みが激しいタイプだと思う。十数年前に翻訳スクールに通っていた頃からそう思い込んでいた節があり、怖いもの知らずも甚だしい……。

しかしそれでも、翻訳会社の中で働いていた数年前、この人には勝てないと思う中文和訳の翻訳者さんが三人いた。一人は実務専門の方で、読解・訳出の正確性も表現の完成度も圧倒的だった。当然のようにいつもお忙しくされていて、実際には依頼できないことも多かったのですが、ここぞというときは最優先で相談していた。翻訳者としては、同じジャンルでは戦いたくない。

もう一人は、すでに訳書を数冊出版されていた方で、会社としては珍しい童話翻訳の案件などを依頼していた。それまで私は実務系の翻訳しかやっていなかったのですが、その方の成果物の最終チェックを担当し、いろいろと勉強させていただいた。センスがあるとしか言いようがない。しかし、一方的かつ密かにライバルだと思っていたりする。

そしてもう一人、信じられないスピードで訳文を仕上げてくださる翻訳者さんがいた。私が想定する3倍以上の速さで、ちゃんとした質の訳文が納品されるので、チームなのかと疑ったこともあるほど。商社関連の特急案件や、訴訟がらみの案件などを依頼することが多かった。ついつい無理なお願いをしてしまうこともあったのですが、依頼するジャンルを間違わなければクレームになることもない。いまだに信じられない。

お三方とも、電話やメールだけで直接の面識はない。会社が倒産し、翻訳料の未払など多大なご迷惑をおかけしたと思われ、合わせる顔もない。日中通訳センター/英語・中国語翻訳センターという小さな翻訳会社での出来事については、後日あらためて整理して書いてみたいという気持ちはある。いつか。



追記……More
# by d_kushi | 2020-01-11 01:18 | 翻訳を考える
【翻訳】『ゲリラ建築:謝英俊、四川大地震の被災地で家を建てる』
2016年に台湾で出版されたノンフィクションの翻訳を担当いたしました。2008年の四川大地震の被災地における集落再建の取り組みが主なテーマです。
【翻訳】『ゲリラ建築:謝英俊、四川大地震の被災地で家を建てる』_a0057018_04232930.jpg
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「パブリッシャーズ・レビュー」第81号(2019年12月15日)掲載の五十嵐太郎氏による書評↓
【翻訳】『ゲリラ建築:謝英俊、四川大地震の被災地で家を建てる』_a0057018_12502520.jpg

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以下、担当訳者として感じたことをカバーの裏表紙風に……

台湾の建築家・謝英俊を有名にしたのは、シンボリックな巨大建築などではなく、どこにでもありそうな民家の建設だった。彼が家づくりに取り組むのは、たとえば四川省の山奥にある少数民族地域。ある村では震災後に全村移転を余儀なくされ、新しい集落を建設しようとしていた。謝英俊にいわせると、その土地の被災者たちは決して「弱者」ではない。なぜなら、自分たちで家を建てる能力を失っていないから。

そんな住民たちの相互扶助による家づくりを実現するのが「協働セルフビルド」であり、開かれた建築システムと簡易化された構法/工法である。だが、その取り組みは常に成功するわけではない。同じ農村でも商品作物の生産により潤う地域、さらに都会に近い平野部など、環境によって人びとの価値観は異なり、家づくりのあり方もさまざまだった。

当時、建築学科の院生だった著者は、少数民族の多い地域で展開されるフィールドワークのような実践を、ありのまま記録している。体裁を整える安易な言葉でまとめようとはしていない。作中でも語られるが、その手法は半ば意図的であり、半ば条件に強いられたものである。何か分かった風な概念を並べるよりも、細かな出来事の描写を重ねることでこそ表現できる本質があると、そう確信しているように訳者には感じられた。文学青年でもある著者は、とりとめなく写実されるエピソードの積み重ねを、広い意味での文学として機能させることを意図しているのだ。

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→このブログ内の『ゲリラ建築』関連記事


# by d_kushi | 2020-01-10 12:48 | 翻訳実績
中国マンガを翻訳してみて考えること【第3回】
ある意味、予言的な内容……



中国マンガを翻訳してみて考えること【第3回】
中国マンガを翻訳してみて考えること【第2回】
中国マンガを翻訳してみて考えること【第1回】


# by d_kushi | 2020-01-08 16:29 | 翻訳を考える
『ゲリラ建築』 訳文の表記/ルビなど
ご参考まで




意見が合わないというのは、訳文の完成度を高める作業過程においては、むしろ必要なことだと個人的には考えています。




追記……More
# by d_kushi | 2020-01-08 01:41 | 翻訳を考える